「現代の学者に消される代々の天皇」②

　釣り好きの先生が、「先生達と釣りに行くときと違って、釣りのクラブの一般の人達は、他にかまわず我先にいい場所をとったりテグスやゴミ等を平気で海に捨てたりと、やっぱり学校の先生たちは一般の人達より、品行方正である。」というようなことを言っていたのを覚えています。先生達にはそういうよい面がたくさんあると思います。しかし、次第に慣れてはきましたが、私が中学校教諭として就職した時、最初のうちは学校の先生達の世界はなんと狭いんだろうといつも思っていました。私は大学を卒業した後に、英会話教室を経営しながら留学生の世話と国際交流を行う財団法人でボランティアをしていました。国を想い、世界の平和や宗教、文化・歴史について多くの外国人や日本人の人達と語らいました。ところが、驚いたことに、教員になってみると先生達との会話ではそういう話がまったくでないのです。平和については話が出ますが、偏狭な日教組の受け売りばかりでしかありません。例えば子ども達に「日本軍がいかに残虐で悪いことをしたか。日の丸のせいだ、天皇のせいだ」などは話しても、遠い過去から何故戦争が起こるのか、歴史から見て戦争の起こる状況に至る共通点、今世界はどう動いているのか、世界情勢をどう分析して戦争回避を行うべきか、国を守ることと他国を尊重すること等々を子ども達に話す先生を見たことはありませんでした。どうして自分で考えないのかなといつも思っていました。自ら学ぼうとしないのです。先生方がそのような状況ですので、ましては日本の子ども達が人生について語り、歴史や文化について語り、尊厳なるものについて語る場は学校にはありません。考えることのない日本人、コミュニケーションができない日本人が育っています。戦後の日本のGHQによる徹底した情報操作と各日本弱体化政策により日本人は変質させられてしまいました。伝統文化の否定、家族解体、教育制度改革、農地解放、財閥解体、皇室改革、押し付け憲法制定等々、日本の強さの根源であったあらゆる分野に及びました。そして誰もが日本の伝統的なものや制度は悪であり、アメリカの言う民主主義が善であると誰もが信じたのでした。日本の文化や伝統は徹底して排除され、小学校では習字の授業はなくなり文字は記号に過ぎないと教わり、武道の精神は否定されました。個人主義の前に家族も崩れていきました。私の住んでいる田舎でさえ、息子や娘と住んでいるお年よりはほとんどおりません。わざわざ敷地内に家を立てて別に住んでいる人達も多く見受けられます。歴史を見れば明らかなように他民族支配のためには、階層を分断対立させ、家族、宗教、伝統文化の破壊を行い弱体化させることは常套手段であります。それを大変巧妙に実行され、今の日本があることに気付かねばなりません。明治天皇の御製に『よきをとりあしきをすてて外国（とつくに）におとらぬくにとなすよしもがな』とあり、古い因習を捨て外国に新しきを求めることを示されております。しかし、一方では次のように霊の元つ国人が忘れてはならぬ道があることも示されております。『白雲のよそに求むな世の人よ誠の道はしきしまの道』神の道、誠の道が日本にはあるということです。神代から長い歴史の中で培ってきたしきしまのやまとの道をこの戦後の数十年間で失わせるには行かないと思います。現状を見ると国が始まって以来の元寇以上の国難の時代と言えます。内部から崩壊させられようとしているからです。湿潤な恵まれた風土の中で、スメラミコトを敬い、相手の尊厳を認め、思いやり、和を尊び、自然と共生する文化が長い年月をかけて育まれてきました。そこに優しさと強さを併せ持つ日本の底力があります。マスコミは低俗な番組をたれ流し、家庭の教育力が失われている今、私たち陽光子の教職者が目覚めて正法教育を行っていき、心ある人達と流れを作っていく使命があると思います。前回の消された天皇の続きに入りたいと思います。戦後の歴史学会では歴代天皇の初代から１４代までの中の実に１１人又は１２人が架空の人物とされています。それだけの天皇の存在が戦後の数十年で消されているのです。今回は神武天皇について述べたいと思います。現在では神武東征の謎については、学問の対象にもされず、まったく無視をされています。神話であるから史実ではないということです。色々とこじつけの理由があるのですがここでは一例を述べたいと思います。日本書紀にある、神武天皇（始馭天下之天皇）〈天下を馭する〉・崇神天皇（御肇国天皇）〈国を御する〉のこの訓読みを奈良時代の学者が「ハツクニシラススメラミコト」（少し無理があるように思えるのですが-------？）だろうということにしたことから、現代の学者が神武天皇は、第十代崇神天皇をモデルに創作されたのであり、同じ人物であるということにしてしまいました。天皇家の歴史を古く見せかけるために、崇神天皇をモデルに、神武天皇が創作されたとしています。（それならば何故神武天皇以前の天皇の系譜を記紀では消されているのでしょうか）邪馬台国が発展して大和朝廷になったと主張する人達（中国の文献が第一と考える人達）にとっては、神武天皇と崇神天皇を同一人物にして中間の八代の天皇をいなかったことにすると時間的なつじつまが合うようになって都合がいい、という何の学問的根拠もない無理な理由づけをしています。作りごとの神話と思われていたことが、実は多くの事実を述べていたことが考古学的に証明されつつあります。賀川先生との御対談の中で、救い主様は「古文献と考古学との関係」について述べられていますが、今、奈良の纒向遺跡が発掘されるなか、多くのことが明らかになってきています。出雲の神や饒速日命（ニギハヤヒ）がまずヤマトにやってきて、最後に九州から神武天皇がやってきたという「順番」は、ほぼ纒向に土器が集まってくる過程と重なってくることが分かってきています。出土する土器の三割が大和以外からで、その内訳は、東海49％、山陰・北陸17％、河内10％、吉備７％、関東５％、近江５％、西部瀬戸内％、播磨３％、紀伊１％、そのほかに丹後や朝鮮半島の土器も含まれています。弥生時代後期、出雲では巨大な四隅突出型墳丘墓が作られ、この文化は越（北陸）にも伝わっております。ところがヤマト建国後、出雲では、古墳の規模が縮小し、また前方後円墳造営の時期が他地域と比べて遅れています。出雲の繁栄は、ヤマト建国とともに終わったといえます。出雲の国譲りの神話が正しかったことが分かります。「神武天皇」とは奈良時代に淡海三船が歴代天皇に送った漢風諡号（中国風のおくり名）であり、記紀が編纂されたときは和風諡号で神日本盤余彦（かむやまとおわれひこ）です。昭和天皇のお名前が「ヒロヒト」というように神武天皇にも名前がありました。狭野という名前で五瀬、稲飯、三毛入野の四人兄弟の末っ子でした。四人の末っ子が何故当主なのでしょうか。一見して不自然なこの伝承に真実が潜んでおります。実は神武天皇から第１６代仁徳天皇まで長男が皇位を継承した例がありません。古代天皇家では「末子相続」が行なわれていたのであります。神武天皇の後綏靖天皇即位までの骨肉を争う跡継ぎ争いが詳しく日本書紀に描かれています。左翼思想の学者達が言うように、天皇家の正当性をでっち上げるために作られたなどとは到底思われません。生々しい史実が述べられています。しかし、記紀のすべてが正しいわけでもありません。古事記は天武天皇が稗田阿礼(ひえだのあれ)に誦習(しようしゆう)させていた帝紀・旧辞を、天武天皇の死後、元明天皇の命を受けて太安万侶(おおのやすまろ)が撰録したものです。稗田阿礼も太安万侶も帰化人のようです。太安万侶は三韓征伐のときに捕虜となって連れてこられ、日本を恨んでいるといわれる林聖太子の孫で帰化人であるとのことです。編纂に日本人が関ってないのはどういうことなのでしょうか。隠されている本当の歴史書が世に出ることが神様から許される日が来るように準備をしたいと思っております。